毎年、多くの人が暑さで命を落としている。身近に迫る危機として警戒に努めたい。
気象庁は、最高気温が40度以上の日を「酷暑日」と決めた。高温の日の名称を追加するのは、2007年に最高気温35度以上を「猛暑日」として以来になる。
背景には近年の気温上昇がある。昨年6~8月の日本の平均気温は、1898年の統計開始以降最高だった。また、観測史上、40度以上を記録した地点は延べ108あるが、その約4割が2025年までの3年間に集中している。
県内の観測史上最高気温は40・8度で、18年8月23日に胎内市(中条)で記録した。
日常生活を脅かす暑さである。新たな名称で、より強く警戒を呼びかけることが求められる。
気象庁は、今夏も全国的に平年より気温が高くなると予測する。
県内では20日、魚沼市(小出)で28・2度、新潟市秋葉区で27・3度など、早くも最高気温が25度以上の夏日となった。
体が暑さに不慣れな時期は熱中症になりやすい。夏前でもこまめな水分摂取など対策が必要だ。
消防庁によると、熱中症で昨年5~9月に救急搬送された人は全国で過去最多の10万510人で、117人が亡くなった。県内でも1514人が搬送され、5人が死亡した。熱中症は、誰にでも起こると認識しなければならない。
22日には、熱中症のリスクが高まった際に気象庁などが注意を呼びかける「熱中症警戒アラート」と、重大な健康被害が生じる危険な暑さになる恐れがあるときに出す「熱中症特別警戒アラート」の、今年の運用が始まる。
特別警戒アラートは24年の運用開始以降、発表実績がない。
これまでは、都道府県の全観測地点で、気温や湿度から算出する指数「暑さ指数」が一定の数値を超えると発表するとしていたが、今回、標高が高い観測地点などを除外する見直しをした。
より実態に即した運用になると見込まれる。出された場合には屋外の活動を控え、高齢者ら配慮が必要な人に冷房の使用を促すなど、最大限の注意を心がけたい。
環境省は報告書で、温暖化の影響が熱中症だけでなく、土砂災害の増加、農作物の収量や品質の低下などに及ぶとした。だが、温室効果ガスの削減といった温暖化対策は停滞が指摘される。
国民の命と暮らしに関わる問題である。国は再生可能エネルギーの活用促進など、温暖化抑制に本腰を入れるべきだ。
