地球温暖化などの影響で日本では近年、豪雨や水害の大きな被害が相次いでいる。命を守るため、新たな情報発信を確実な避難につなげたい。

 気象庁と国土交通省が新たな防災気象情報の提供を始めた。

 河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮の4種類の災害ごとに、相当する警戒レベルと警報などの名称を併記した。

 危険度が高い方から、警戒レベル5に相当する特別警報、レベル4の危険警報、レベル3の警報、レベル2の注意報とした。

 従来の「大雨警報(土砂災害)」は「レベル3土砂災害警報」という名称となる。

 レベル4の危険警報は今回、新設された。このレベル4が出れば、市町村は警戒レベル4の「避難指示」を出し、全員避難を呼びかけることを検討する。

 レベル3の警報は、高齢者ら避難に時間を要する人に早めの避難を呼びかける警戒レベル3「高齢者等避難」に当たる。

 市町村はこれまでも防災気象情報を参考に避難情報を発表してきた。数字でひも付けることで、関係を分かりやすくした格好だ。

 レベル5は「既に災害が発生・切迫し安全に避難できない状況」である。本県はレベル3、または4の段階で確実に避難するよう促している。

 防災気象情報は、新潟地方気象台が市町村ごとに発表し、気象台のホームページなどで確認することができる。

 市町村が避難を呼びかける前の段階で、自主避難を検討する際に活用したい。

 高齢者がいるなど家族や職場の特性を考慮し、レベルに応じた避難行動をあらかじめ決めておくことが有効だろう。

 気がかりなのは、情報提供の変更点が国民に十分理解されているとはいえないことである。

 5月下旬に変更すると発表されたのは、わずか5カ月余り前だ。

 気象庁は説明会やユーチューブの解説動画などで周知してきた。

 説明会では「取るべき避難行動が数字で明確になり、分かりやすい」と評価する声が上がる一方、「説明会に参加していない人には変更点が十分伝わらず、危険を認識しにくいのでは」と懸念する意見も出た。

 理解が進むよう、広報活動を継続する必要がある。

 従来より高い精度で、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯の発生する可能性が高まったことを速報する「直前予測」も始まった。

 警報が発表される時間帯の見通しが市町村単位で分かる情報もホームページで公開した。

 雨が多くなる6~10月ごろの「出水期」が目前に迫っている。

 さまざまな気象情報を実際の避難行動に生かさねばならない。早め早めの行動が命を守る。