少子化は年々、深刻の度を増している。政府と自治体、企業が連携し、子どもを産み、育てやすい社会づくりを急がねばならない。

 3日公表の人口動態統計(概数)によると、2025年に国内で生まれた日本人の子どもの数(出生数)は67万1236人で、過去最少となった。24年比で1万4937人(2・2%)減った。

 女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」は0・01ポイント減の1・14で、最低を更新した。出生数、出生率ともに下げ幅は近年に比べ縮小したが、10年連続のマイナスだ。

 高市早苗首相は4日の衆院予算委員会で「非常に厳しい状況だ。人口減少は静かな有事だと捉えている」と述べた。

 政府は30年代に入るまでを「少子化反転のラストチャンス」としているが、一向に歯止めがかからない。現行の施策の検証と見直しが欠かせまい。

 政府は23年に「こども・子育て支援加速化プラン」をまとめ、児童手当の所得制限撤廃や育児休業給付の拡充などを実施した。

 一方、物価は高騰し、税や社会保険料は重くのしかかっている。経済的な不安が十分に払拭できていないのではないか。

 男性の育休取得率は24年度に過去最高の40・5%に達した。しかし、長時間労働が解消されたとは言い難く、夫婦が余裕を持って子育てすることができる環境づくりは途上である。

 「家事・育児は女性」との意識が根強く、女性が仕事をしながら育児を担わねばならないなら、出産をためらうのも無理はない。

 働き方の見直しや社会の意識変革が必要だ。仕事と育児を両立できる環境を包括的に整備したい。

 注目されるのは、東京、富山、石川、香川の4都県では25年の出生数が増えたことだ。独自の施策の効果が出た可能性がある。

 東京都は、18歳以下への月額5千円支給や無痛分娩(ぶんべん)費助成などの施策を次々実施する。

 ただし、税収が豊かな東京都と同様のサービスを他の自治体が行うのは難しい。

 手厚い支援を受けようと子育て世代が周辺から移住するケースもあるが、これは自治体同士で若者を奪い合っているにすぎない。

 国全体として見ると、少子化反転の効果は限定的ではないか。まずは国の施策を一層充実させるべきである。

 本県の25年の出生数は9580人で、前年に比べ361人減り、過去最少を更新した。合計特殊出生率は前年から0・01ポイント低下し1・13で、全国36位タイだった。

 少子化対策は、知事選でも争点となり、3選を果たした花角英世知事は公約の柱に掲げた。

 県全体で子育てをする機運醸成に取り組む必要がある。子育てに優しい新潟県でありたい。