人口減少によるひずみや、不安定化した世界情勢が、暮らしに影響する中での知事選だ。山積する課題にどう向き合うか。候補者が訴える政策を聞き、新潟の未来を共に考える機会にしたい。
任期満了に伴う知事選が14日、告示された。3選を目指す現職の花角英世氏と前県議で新人の土田竜吾氏を軸に、元五泉市議で新人の安中聡氏の3人が、いずれも無所属で争う。
2期8年の実績と県政の継続を訴える花角氏は、自民党や公明党、経済界などの支援を受ける。県政刷新を掲げる土田氏は、所属する立憲民主党をはじめ国政野党や労働組合などが支える。
31日の投開票に向けて、立候補者の公約を吟味したい。
県全体を見渡せば、人口減少をいかにして食い止めるかが、あらゆる課題に通底するテーマだ。
2025年の県人口は推計で約207万人だが、県外への転出が転入を上回る「社会減」が大きい。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計は、50年には152万5千人に減少すると見る。
消費の担い手が減り、県経済の縮小が懸念される。農業を含む産業の活性化を図り、県民所得を向上させることは重要な課題だ。
県民の生命を守る医療体制の維持や、次代を担う子どもたちの教育環境の整備についても、候補者には大いに論じてもらいたい。
知事選は一つの争点を問う選挙ではないが、近年は、停止していた東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題が大きな焦点になってきた。
柏崎刈羽原発は今年1月に再稼働し、既に営業運転している。とはいえ、本県の知事選と原発問題を切り離すことはできない。
今回の選挙では、就任当初から再稼働に当たって「信を問う」としてきた花角氏が、最終的にその判断を県民ではなく県議会に諮った政治手法の是非が問われる。
県民の意思を県政に反映させるための手法も改めて注目される。
県議会では25年4月に再稼働の是非を問う県民投票条例案が否決され、花角氏は当時、「二者択一では多様な意見を把握できない」としていた。今もその考えに変わりはないとしている。
一方、土田氏は、事案ごとに議決が必要な「個別型」ではなく、要件を満たせばいつでも実施できる「常設型」の県民投票条例の制定を主張し「県民の思いに応えるために重要な施策」とする。
安中氏は原発の停止・廃止と、県民投票条例の制定を目指す。
県政課題に県民がどう関わることが望ましいか、自治の在り方についても、選挙戦を通じて県民自身が考える機会にしたい。
気になるのは投票率だ。前回は過去3番目に低い49・64%にとどまっている。未来をつくる県政のかじ取りを誰に託すか。有権者も真剣に考え、1票を投じたい。
