人口減少が進む地域のためにどんな取り組みを進めるか。エネルギー供給が不安定化する中で、原発を巡る問題にどう向き合うか。聞きたいことはたくさんある。
任期満了に伴う知事選は、14日の告示が来週に迫る。立候補者の顔ぶれが固まり、大型連休明けには動きがさらに加速する。
これまでに名乗りを上げたのは、3選を目指す現職の花角英世氏、立憲民主党所属で県議1期目の土田竜吾氏、元五泉市議で自営業の安中聡氏の3人だ。
31日の投開票に向けて、県政のかじ取り役を目指す3氏には、自らの考えを自らの言葉で、積極的に発信してもらいたい。
新潟県の将来にどんな青写真を描いているのか、何を重視した県政運営を目指すのかといったことを明確に示し、県民に熱く訴えていかねばならない。
現職の花角氏は、2期8年の取り組みが評価される機会となる。県財政の改革・改善、新型コロナウイルスや自然災害への対応などが実績となるだろう。
注目したいのは、昨年11月に東京電力柏崎刈羽原発の再稼働容認を表明し、その判断を県議会に諮った花角氏の対応を、県民がどう考えて1票を投じるかだ。
再稼働問題は花角氏の初出馬からの懸案で、再稼働の是非については自身の判断を示した上で県民の意思を確認するとしていた。その手法は「信を問う方法が最も明確で重い」と繰り返していた。
「信を問う」を、県知事選を想定した発言と捉える向きは多かった。花角氏が県議会に委ねたことで、県民の中には意思表示ができないと残念がる声もあった。
この問題を巡り、土田氏は、県議会に判断を諮った花角氏の手法を追及し、争点化する構えだ。安中氏も同様の姿勢で、柏崎刈羽原発の停止・廃止を掲げている。
既に原発が再稼働した今、花角氏の手法にだけ焦点を当てても不十分だ。使用済み核燃料の処理や避難道路の整備をはじめ、なお残る原発課題についても論戦を交わし、県民の安心や安全につなげていかねばならない。
知事選の争点は一つではなく、幅広い課題が問われる。急速な人口減少や医師不足など、他の都道府県に比べて本県が特に厳しい状況にあるテーマについて、しっかりと掘り下げる必要がある。
農政は主食であるコメを巡り、国が増産方針を示した後に再転換するなど揺らぎが大きい。地場産業をはじめとする産業の活性化を含め、県が独自性や先見性のある政策を打ち出せるかは、県全体の競争力に直結する。
私たち県民にとって知事選は、4年に一度、県政に自らの意見を直接示せる重要な機会である。継続を求めるか、それとも刷新に期待するか。論戦に耳を澄ませ、判断していきたい。
