緑濃い豊かな自然を後世につなぎたい。だが、地球の異変が目立つようになってきた。背景にある温暖化について「みどりの日」に考えたい。

 環境省は、今年取りまとめた温暖化などの気候変動の影響評価報告書で、コメの品質低下や洪水被害の増加などについて「対策の緊急性が特に高い」と表記した。

 コメへの影響は、指摘を待つまでもない。2024年夏から品薄になり、店頭価格が高止まりした。流通量減少をもたらした原因の一つが猛暑だった。

 近年の暑さは異常である。昨夏の日本の平均気温は平年を2・36度上回り、1898年の統計開始以降最高だった。2023、24年の値を更新し、3年連続で過去最も暑い夏になった。

 温暖化時代の農業を探らなければならない。主食生産を担う本県の対応スピードが問われる。

 あらゆる分野に影響を及ぼすのが温暖化だ。

 海水温の上昇による豪雨の激甚化や、氷河の融解による海面上昇を招く。乾燥は林野火災の危険性を高める。さらに動植物の生息域の変化も懸念される。

 クマが人里に出没するようになった背景には、餌になる木の実の不作、冬眠時期の乱れなど、気候変動の影響がうかがえる。

 温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出をなんとか抑えたい。

 日本の実質排出量は減少傾向にあるが、環境省が4月に発表した24年度の数字では、削減ペースの鈍化がみられた。

 温室効果ガスを発電時にほとんど排出しない再生可能エネルギーの有効活用を考える必要がある。

 気になるのは、温室効果ガス排出量の削減を目指す枠組み「パリ協定」からの米国の離脱だ。

 米国の拠出金がなくなれば、途上国支援の資金が不足し、海面上昇に直面する島しょ国の被害が深刻化する恐れもある。

 トランプ米大統領は、気候変動対策を「史上最大の詐欺」と主張しており、協定離脱は第1次政権に続き2回目となった。

 米国のイラン攻撃に伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖も、日本の温暖化対策に影を落とす。

 経済産業省は、イラン情勢の影響を受けにくい石炭火力発電の稼働を増やすことを決めた。

 供給途絶の恐れがある発電用の液化天然ガスや石油の節約につなげる狙いがある。

 CO2を多く出す石炭への依存度を下げてきた脱炭素政策を後退させる事態は、避けたかった。

 米国は、中国に次いで温室効果ガス排出量が多い。本来であれば脱炭素に向けた取り組みを主導すべき立場である。

 温暖化阻止に向けた国際協調の道を歩みたい。トランプ氏の独善を憂慮する。