冨田浩司・前駐米大使
 冨田浩司・前駐米大使

 対決よりは安定を強調した首脳会談だった。

 まずトランプ大統領だが、イラン情勢にもかかわらず、米国の大国としての地位が損なわれていないことを示威する必要があった。習近平国家主席も世界経済の先行きに暗雲が垂れ込める中、引き続き対米関係を安定させる必要性に直面している。

 大きな背景としてイラン情勢が影を落としていた点は否定できない。

 会談の成果については、全般的な印象としてはオプティックス(見かけ)を重視した半面、内容的にはおおむね現状を再確認するものにとどまったように見える。

 イラン情勢を巡っては、戦争を早期に終結させる必要性について米中双方の利益は合致している。他方で、中国のイランに対する影響力には限...

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