立ち直りの伴走者として、なくてはならない存在だ。活動を継続できるよう、理解を深め、支援を充実させたい。
刑務所や少年院を出るなどして保護観察中の人の更生を支える保護司の確保が全国的に大きな課題となっている。
保護司は民間のボランティアで、法相が委嘱する非常勤の国家公務員だ。月に数回、対象者と面談し、生活の悩みを聞くなどする。1期2年の任期を3年に延長する改正保護司法が昨年成立した。
定数は5万2500人を超えないと定められている。2025年は4万6043人で、10年前から約1800人減った。
新潟保護観察所によると、県内の保護司は今年3月時点で945人、10年間で40人減り、定数1055人を割り込んでいる。
平均年齢は65・9歳で、特例でも78歳未満しか再任できず、今後さらなる減少が見込まれる。担い手確保は喫緊の課題である。
このままでは保護司1人当たりの対象者が増え、負担が重くなることが懸念される。
ベテランの保護司から新任へ、対応のノウハウを引き継ぐことができなくなれば、社会的な損失と言えよう。
新潟保護観察所も危機感を募らせ、対策を打ち出している。
本県は21の保護区に分けて構成されており、従来は現役の保護司が担当する保護区内で新任を推薦してきた。
しかし、他の保護区からの推薦も受けられるように運用を見直した。今後は自薦の導入も想定しているという。
人選のハードルを下げる取り組みに期待したい。
24年には大津市の男性保護司が自宅で対象者に殺害される事件が起きた。全国的に安全面の不安から辞任の申し出が相次いだ。
これを受け、1人の対象者を複数の保護司で担当したり、保護司の自宅ではなく公共施設に面接場所を設けたりする対策を講じた。
保護司の安全確保は国の責務であることを改めて確認したい。
新任の保護司からは「裁判員制度のように、会社が休みを保証するなどバックアップがあってもいいのではないか」との声が上がっている。若い世代を増やすためにも重要な視点である。
改正保護司法は、保護司の勤務先の事業者による協力を「努力義務」と規定した。社会全体で活動を支える意識を持ちたい。
日本の保護司制度は明治時代に始まった。官民連携による立ち直り支援として海外からも注目され、日本政府はアジアやアフリカで制度の導入を支援している。
制度を先細りさせることなく、将来にわたって安定して運用したい。そのために報酬制の導入も含め必要な方策について、官民で知恵を絞りたい。
