パレスチナ自治区ガザへ向かうマドリーン号の甲板で、祖父母の故郷へ思いをはせるリマ・ハッサン。「1948年 難民の帰還は権利であり、意思だ」と大書されたTシャツに袖を通す=2025年6月、地中海上(本人提供、共同)
 パレスチナ自治区ガザへ向かうマドリーン号の甲板で、祖父母の故郷へ思いをはせるリマ・ハッサン。「1948年 難民の帰還は権利であり、意思だ」と大書されたTシャツに袖を通す=2025年6月、地中海上(本人提供、共同)
 フランス東部ストラスブールの欧州議会議場の前に立つリマ・ハッサン。「パレスチナ問題は欧州の問題だ」と力強く語った=2026年2月(撮影・川上真、共同)

 夜空を切り裂く白い閃光(せんこう)が走った。静かな海上を無人機が旋回する。白い液体が帆船に降り注ぐと、甲板の足元は滑る。「落ち着いて」「救命胴衣を着けて外へ」。乗組員が声をかけ合う中、軍用ボートが接近、兵士がなだれ込んだ。

 2025年6月9日未明、東地中海。パレスチナ自治区ガザへ向かう人道支援船「マドリーン号」がイスラエル軍に拿捕(だほ)された。医薬品や食料を届け、人道危機を招くガザ封鎖の実態を訴える。そんな思いで集まった乗船者12人の中に欧州議会議員、リマ・ハッサン(33)の姿があった。

 ▽無国籍

 リマは1992年、シリア北部アレッポ郊外のパレスチナ難民キャンプで生まれた。祖父母は現在のイスラエ...

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