自宅で乳幼児を預かる「保育ママ」のバネッサ・カニェズ。くじ引きで「人生の終末に関する市民議会」議員に選ばれた=2026年3月、パリ西郊の自宅(撮影・沢田博之、共同)
 自宅で乳幼児を預かる「保育ママ」のバネッサ・カニェズ。くじ引きで「人生の終末に関する市民議会」議員に選ばれた=2026年3月、パリ西郊の自宅(撮影・沢田博之、共同)
 くじ引きで選ばれた「人生の終末に関する市民議会」議員と事務局員らの集合写真。六つの指標がフランス全体の割合と一致する「社会の縮図」となっている=2026年4月、パリ(フランス経済・社会・環境評議会提供、共同)

 携帯電話が鳴ったとき、バネッサ・カニェズ(50)は「何かの売り込みだ」と思った。最近多いのだ。いつものように「時間がなくて」と断ろうとすると相手が叫んだ。

 「いや、真面目な話です。『人生の終末に関する市民議会』に参加してもらえませんか」

 「市民議会」とは、フランスの経済・社会・環境評議会(CESE)が主催する公共機関だ。議会が下した結論は政府・国会に送られ、その方針を基に法制化される。

 自宅で乳幼児を預かる「保育ママ」の仕事をしているカニェズは、相手の話を聞くことにした。今回のテーマは、がんなどで余命が限られ痛みに耐えかねるような人々が自殺ほう助や安楽死を望んだとき、認めるべきかどうかだという。深...

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