遊牧民文化や相撲、最近は豊富な埋蔵資源でも注目される国、モンゴル。日本から直行便で5時間ほどで行ける人気の旅行先だが、まずは気軽に読書で雰囲気を味わってみるのはどうだろうか。

 本書は、1990年の民主化後に刊行されたモンゴル語の長編小説として、初めての邦訳書だ。モンゴルを代表する作家による壮大なミステリーが楽しめる。

 由緒あるチベット仏教の僧院で若い僧侶が銃殺されているのが見つかり、物語が始まる。事件の真相を探るのは、彼の同僚で親友のサマンダと、警察犬トレーナーのセルジャムツ。しかし、セルジャムツが捜査を始めると、相棒の犬も突然死してしまう。

 僧侶が飼っていた白いチベット犬が意味ありげに登場し、遺...

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