(絵:100%ORANGE)
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 顔をあげたら目の前にキジバトがいた。

 2階南側の仕事部屋から5メートル先、ガラス障子の向こうの松の枝に、茶褐色の鳥が1羽とまり、リラックスした様子で、グーグググーグー、と喉を鳴らしてなきはじめた。

 驚かさないよう気を鎮めて書こう。そう思ってここまでノートに記し、視線をむけるとすでにその姿はなかった。きっとなにかの波動が伝わったんだろう。

 松本の郊外に住んでいたころ、シカ、キツネ、タヌキと、暮らしのなかで野生動物と出くわすのは日常のことだった。三崎では、家の2階で小説を書いていたら、背後の4畳半のふすまを開けてクマが出た(のちに結婚する園子さんの着ぐるみ姿だった)。

 港町ならどこでもネコの姿が目立つが...

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