1955年に米南部アラバマ州モントゴメリーの公営バスで、白人男性に席を譲ることを拒んで逮捕された黒人女性ローザ・パークス。今や誰もが知る「公民権運動の母」だが、私たちの多くは、バスでの出来事でしか彼女を知らない。

 著者は、ローザが矮小化され実像からかけ離れた捉え方をされた上に、米国の人種差別の歴史を美化する文脈の中で「国家の所有物として私物化され」てしまっていると指摘する。

 本書は、彼女が書き残したものやアルバム、インタビュー記事などの膨大な資料から人生を描く伝記だ。著者は、長年にわたり人種差別にあらがい続けた「ひとりの活動家」として彼女を再定義しようと試みる。

 8歳の頃に白人至上主義の哲学を知っ...

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