企画展「戦争を考える2022ー日常に入り込んだ戦争ー」=新潟市中央区旭町通2、新潟大学旭町学術資料展示館 

 新潟市中央区の新潟大旭町学術資料展示館で開かれている企画展「戦争を考える2022-日常に入り込んだ戦争-」。昭和初期を中心に作られ、国内に出回っていた着物や帯、時計などが展示されている。

 新潟日報社の20代記者が企画展の中で、気になった展示品を紹介する。

◆No.321 ブロンズ 戦闘機

素材=メタルメッキ(アンチモニー)、年代=昭和初期(1937年頃)、所蔵=笹川太郎氏(新潟ハイカラ文庫主宰)

 時計メーカー・英工舎製の置き時計。米戦闘機がモデルで、機体の横には「B-12」と鋳込まれている。エンジン部分を文字盤にするなど、工夫がうかがえる。1937年版の同社カタログに掲載。全長約23センチ、高さ約12センチの大きさで存在感がある。

 カタログのタイトルには「ブロンズ」とあるが、ブロンズは当時、非常に高価だったため使われている可能性は低い。安くて加工しやすく、重厚な仕上がりになる鉛とすずなどの合金「アンチモニー」が用いられ、メッキ加工が施されたと考えられる。

 大正〜昭和初期の間、精工舎、英工舎、東洋時計などの大手時計メーカーは、次々と競うように戦車や戦闘機、戦地の兵士などを模した時計を量産した。戦前まで主流だった優美なアールデコ調のデザインは姿を消した。

◆取材メモ

 スマートフォンなどがない時代、時刻を知るために、人々は一日に何度も時計を見たことでしょう。衣服と同様に時計もまた、暮らしに欠かせないものです。時代の流れを反映し、消費者の購買意欲を高めて、少しでも売り上げを伸ばそうとする企業の競合意識が、戦争プロパガンダに拍車をかけたのではないかと感じました。

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 新潟市中央区の新潟大旭町学術資料展示館で開かれている企画展「戦争を考える2022-日常に入り込んだ戦争-」。昭和初期を中心に作られ、国内に出回っていた着物や帯、時計などが展示されている。

 身の回りの品々にデザインされているのは戦艦や戦車、「日ノ丸マモレ」の文字…。国民の心を戦争に向かわせる「戦争プロパガンダ」だ。

 プロパガンダが当時の国民の生活に広く浸透していたことを示す展示品から5点を紹介し、戦争の悲惨さと平和の大切さを改めて考える。(報道部・池柚里香)

※プロパガンダ…特定の主義や思想によって、個人や集団に影響を与え、思想や行動を意図した方向へと誘導するための宣伝戦略・活動。国家における思想統制や政治活動も指す。

■企画展「戦争を考える2022-日常に入り込んだ戦争-」

【会場】新潟大旭町学術資料展示館
【期間】8月19日まで。月、火曜、10〜12日休館
【開館時間】午前10時〜12時、午後1時〜4時半。入場無料
【問い合わせ】025(227)2260。

※他の掲載回は下のリンクからもご覧になれます。

第1回 『面白柄』の古布 

第2回 フクちゃん(翼賛一家)

第3回 子供、飛行機、戦車

第5回 軍隊の行進