
南中の生徒から届いた手紙をうれしそうに読む櫻井美津さん。「戦争の切なさは体験しないと分からないけれど、もう二度とあんなことは起きてほしくない」と語る=長岡市南町3
太平洋戦争末期の長岡空襲から8月1日で76年となる。被災者が高齢化し、体験を直接伝える機会が減る中、新潟県長岡市南町3の櫻井美津さん(85)は最近になり、空襲で母や弟を失った体験を語り始めた。誰もが仲良く幸せに生きられる世界であってほしい-。話し下手だと思う自分の言葉が、空襲を学ぶ中学生に届き、うれしかった。「できることがあればしたい」との思いを強くしている。
長岡空襲は1945年8月1日午後10時半に始まった。米軍による1時間40分の焼夷(しょうい)弾攻撃で市街地の約8割が焼失。前月の模擬原爆と合わせ、判明しているだけで1488人が犠牲となった。
当時9歳だった櫻井さんは、裏の寺が炎上して...
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