
慰霊碑の前で手を合わせる飯田國彦さん。亡き家族に平和を誓った=6日、広島市中区の平和記念公園
上空600メートルで原爆がさく裂し、広島の日常が瞬時に奪われたあの日から76年となった。新潟県内で勤務経験がある東広島市の飯田國彦さん(79)は6日、平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に手を合わせ、亡き母や姉、親族に思いをはせた。被爆者の一人として、家族を奪った原爆の悲惨さを伝え続けることを改めて誓った。(報道部・原田こころ)
76年前を思い起こさせる真夏の太陽と青空が広がった6日午前8時15分、飯田さんは深く目を閉じ、多くの原爆犠牲者を悼んだ。「私は家族と一緒に亡くなるところを命拾いした。命ある限り平和活動を続けなさいと言われているようだ」
1942年6月、旧満州(中国東北部)で生まれた。出征...
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