とっぴな性格を追求
彩菜は家族からどこかはみ出ているとっぴな役どころ。台本を読んで家族と微妙な距離感のある役だなと思って、演技はドキドキしました。
家族に対して怒るシーンがあるのですが、静かに言うか、声を荒らげたほうがいいか悩んで、何回か試しました。普段は言葉少なな監督が「それだ」と言ってくれたときに、彩菜の家族の中での立ち位置をしっかり捉えることができました。それ以来、安心できたし楽しく演技できた。

原作小説も読み込んで、せりふだけでは分からない、彩菜のとっぴな性格も自分なりに追求した。うまく伝わっていればいいな。
高宮家は家族それぞれが悩みを抱え、不器用なところもたくさんある。彩菜も家族がバラバラな状態をコンプレックスに思っている。私の家族はとても仲がいいので、最初に台本を読んだときはうまく前進しないもどかしさを感じた。
ただ演技をするにつれて、その関係がむしろいとおしく思えてきた。不器用ながらに頑張って向き合おうとする姿勢が徐々に見えてくるから。そんな「新しい家族のかたち」も見つめてほしい。
新潟に来て、原作小説を初めて読んだときに感じた「霧がかったようなイメージ」が実際の静かな雰囲気と重なりました。佐渡は海が透き通っていてきれいだった。今度ゆっくり行きたいですね。
3月中旬に万代シテイ(新潟市中央区)で行ったアイドルユニットのライブシーンは今も印象に残っています。練習時間が少ない中で振り付けを覚えるのが大変で、本番もぶっつけな感じで不安だった。
だけど、当日は約500人ものエキストラの皆さんが寒い中、最後までずっと会場を盛り上げてくれてうれしかった。自信を持ってパフォーマンスできたし、何よりも本当のアイドルライブに出演している雰囲気でしたね。
撮影を通して、新潟で密度の濃い時間を過ごすことができました。本当に感謝しています。
新潟日報 2017/05/17