新型コロナウイルスが猛威を振るっている。マスク着用の生活も長くなった。
気になることがある。「ウイルス禍で若者の地方回帰が進む」という当初の見立てはどうなったのだろう。
人口問題に詳しい日本総研上席主任研究員の藤波匠さんに聞く機会があった。突き付けられたのは厳しい現実だ。
感染禍を境に東京圏の転入超過数は急減した。だが、「大卒女性」を見ると全く逆だという。
藤波さんによると、女性の新規正規雇用は、感染禍の1年半で東京圏が全体の半分を吸収した。地方出身の大卒女性の東京圏流入に拍車が掛かっている表れという。
引き寄せたのが、情報サービス業や専門・技術サービス業といった成長分野だ。
デジタル化の進...
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