認知症の原因となる脳の病気のうち、6割を占めるといわれるのがアルツハイマー病だ。

 その病の原因とされる脳内のタンパク質「アミロイドベータ」を除去する薬「アデュカヌマブ」について年末、厚生労働省の専門部会は製造販売の承認を見送った。現時点では有効性を明確に判断するのが困難だというのが理由だ。

 昨年6月、米食品医薬品局(FDA)が条件付きで承認した際、症状の進行抑制を狙う初の治療薬として一躍、脚光を浴びた。それだけに、認知症の人や家族らは落胆しただろう。

 見送り発表に際し、「認知症の人と家族の会」の鈴木森夫代表理事は、承認に向け要望の声を上げていくとし、「何より『認知症になっても安心して暮らせる...

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