手前から時計回りにゴーヤーチャンプルー、ラフテー、ソーキそば、ウミブドウ。沖縄料理店で人気上位のメニューだという=新潟市西区の「本格沖縄料理 いちゃりば!!」(写真映像部・大須賀悠撮影)

 「鳴き声以外全て食べる」

 何やらどきりとさせられる言い回しだが、豚の各部位を余すことなく活用する沖縄料理の特徴を表現した言葉だ。バラ肉のラフテーや耳肉のミミガーを代表格に、伝統料理には足や内蔵、顔の皮、血まで用いるという。

 独自の食文化には、歴史的、地理的な事情が絡んでいる。

 15世紀に始まった琉球王国時代、中国からの使節団をもてなすのに必要だったのが豚料理で、飼育が盛んになったと伝わる。琉球は日本や中国、東南アジアとの交易で栄え、各地の素材や調理法を取り入れた。沖縄の海では採れない昆布さえも、食材として根付いた。

 かつて沖縄は長寿県として注目された。

  背景には中国の医食同源に通ずる「食べ...

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