30年以上も前。学帽をかぶり、葉っぱをくわえた男・岩鬼正美が描かれたサイン入り色紙は輝いていた。新潟市の白山小野球部の友人が、母校を激励した水島新司さんからもらい、誇らしげに見せてくれたのだ。
水島さんは故郷思いだった。登下校の児童を見守る新潟市のセーフティスタッフのジャンパーには、「ドカベン」の主人公、山田太郎がプリントされていた。市内の観光循環バスにも岩鬼ら「明訓四天王」が描かれていた。
ふるさとへの恩返しの気持ちがあったからこそ、了承してくれたのだろう。
「あぶさん」の主人公、景浦安武は、帰郷のたびに萬代橋から街を眺めた。全日空の新潟-福岡便の休止方針が示された際には、球団本拠地の福岡...
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