政府は数字や統計に関する認識が非常に低いのではないかと常々感じている。国土交通省の建設受注統計、厚生労働省の毎月勤労統計の書き換えは象徴的だ。
安倍政権時には、毎月勤労統計の調査方法が見直しを巡る動きに疑念が残される形で変更され、結果として賃金の数字が見かけ上、良くなったという例もある。
一般に統計は調査の途中で条件が変更されると、正確な比較や状況判断がしにくくなる。条件変更には、それ相応の理由と変更した時点の明示が不可欠だ。
新型コロナウイルスに関する統計でも、実態把握が正確にはできない事態になっている。
厚労省は先月、感染者の濃厚接触者となった同居家族に発熱などの症状がある場合、検査せず...
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