西脇慶弥さん=1990年
西脇慶弥さん=1990年

 1945年8月15日の終戦から78年となった。戦争を経験した人が少なくなる中、新潟日報社は当時の日記や手紙を募集した。寄せられた記録には、必死に生きた市民の生活や、若い兵士が戦地から家族を思う言葉がつづられていた。太平洋戦争を手記や証言からたどる。

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 「古町通り松竹館前の張出しを見るともなく見た(中略)連合艦隊司令長海軍大将山本五十六は四月前線に於て作戦指導中敵と交戦 機上にて戦死されたとの意味をもった数行の大本営発表の文字は(中略)私をうちのめした。私は声もあげ得ずに立ちすくんだ。(中略)燃ゆる米英への憎悪をいだきて家に帰る」(1943年5月21日)

 来迎寺村浦(現新潟県長岡市)...

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