
中澤芳男さんが台湾で書き残した日記
1945年8月15日の終戦から78年となった。戦争を経験した人が少なくなる中、新潟日報社は当時の日記や手紙を募集した。寄せられた記録には、必死に生きた市民の生活や、若い兵士が戦地から家族を思う言葉がつづられていた。太平洋戦争を手記や証言からたどる。
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「児童と居る時が一番楽しみである。これ等も間も無く生活第一線に就くのだが国語力の不足が作文上に現はれている」(1945年2月26日)
太平洋戦争中、当時日本の植民地だった台湾に赴き、現地の子どもの教育に力を注いだ新潟県三条市出身の中澤芳男さん(1906〜99年)の日記には、児童の様子や戦時下の台湾の状況が記されている。
県内の小学校教...
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