
それぞれの地域には「名店」と呼ばれる店があり、極上の味わいがある。そんな味覚を求めて、新潟県村上市に向かった。
小島岳大(酒ジャーナリスト・ライター)
撮影は写真家・渡部佳則
[やきそば]村上スタイルのあとがけソースで好みの味に
麺工房なべなか
10年ほど前に訪れた店の味を思い出し、久しぶりにのれんをくぐってみたのは「麺工房 なべなか」(村上市安良町)。製麺所が営む飲食店だ。ラーメンや焼きそばを中心に麺料理がメニューを彩る。店の名物は焼きそば。注文した「野菜たっぷりやきそば」はよく知る茶色ではなく、白い。

「私が小さいころから村上はこのスタイルですよ」と女将(おかみ)の滝波良子さん(62)。村上独自のスタイル、あとがけソースだ。卓上には特製ソースに酢、コショウが並べられ、自分の好みでかけていただくというのが習わしだとか。
ちなみに山形県庄内地方のB級グルメにも村上同様のあとがけソース焼きそばがある。村上と山形は隣接する。もしかしたらどこかでつながっているのかも知れない、などと思いつつ焼きそばを食べ進める。しかし、なかなか減らない。注文したのは大盛りサイズ(780円)。聞けば2玉分で340グラムあるという。「製麺屋ですからね、麺をとにかく食べてもらいたくて」と滝波さんは話した。

■麺工房 なべなか
村上市安良町1の5。午前11時~午後2時。木曜定休。0254(52)3045
村上市安良町1の5。午前11時~午後2時。木曜定休。0254(52)3045
生粋の村上っ子という女将に旧村上市内の名店を聞いたが、あまりにも多過ぎて選べなかった。ふと行ってみたい店があったことを思い出し、旧荒川町の店を巡ることにした。
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