前人未到の超大技を完璧に決めた瞬間、こちらも歓声を上げた。

 北京冬季五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝で、村上市出身の平野歩夢選手が繰り出した縦3回転、横4回転の「トリプルコーク1440」。目を凝らしながら追った人も多いだろう。

 2回目が2位となった判定に不満を抱き、それをバネに最後の3回目で逆転勝ちした。頂点への執念を感じさせた。

 平野選手の偉業には感嘆するばかりだが、一方で金メダル獲得から一夜明けた会見でのコメントが気になった。

 2回目の判定に対し「基準として、どこを見ていたのかを聞くべきと思う」と疑問を投げ掛けた上で、「選手は命を懸けてやっている」と述べたことだ。

 スノーボードの技...

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