「UFO(未確認飛行物体)は実在する。うちのチームにいるかも」。日本時間の7月28日、米大リーグ・エンゼルスは公式サイトで大谷翔平選手の歴史的な活躍をこう報じたそうだ

▼ダブルヘッダーの1試合目は投手として1安打完封。45分後に始まった第2戦は打者で連続本塁打を放った。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではMVPに輝いたこの二刀流スターを、米国チームのデローサ監督は「球界の宇宙人」と感嘆した

▼6、7月は連続で月間MVP。本塁打44本もリーグ1位と、今季も大車輪が続いた。日米メディアやファンの交流サイト(SNS)では、その超人ぶりに形容詞が尽きたかのように、宇宙人扱いするジョークが相次いだ

▼孤軍奮闘を続けたが、8月に右肘を、9月にはわき腹も痛めて、残り試合を欠場することになった。宇宙人張りの鉄人も生身の人間だと証明された格好だ

▼5年ぶりの右肘手術が成功したというから、本人もファンもホッと一息だろう。リーグ終了前なのに今季のMVPは彼が当確とも言われる。今オフには他球団と野球史上最高額の契約も取りざたされる

▼折しも米航空宇宙局(NASA)は、UFOの研究責任者を配置する方針を発表した。謎めいた現象の科学的な解明を目指す。冗談半分で言えば、宇宙人に例えられる大谷選手のプレーの秘密も科学で解明してくれないか。復活を後押しするに違いない。地球人を超えるレベルの二刀流が戻ってくる日が待ち遠しい。

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