ネパールの秘境ムスタンで農業指導を続け、6年前に94歳で亡くなった加茂市出身の近藤亨さんの本紙連載「爺(じ)さまの戯言(たわごと)」を、15年ほど前に担当した。

 近藤さんがムスタンで書いた原稿を整え、イラストを添えて出稿してくれていたのが新発田市の原千賀子さんだ。

 原さんは、近藤さんが設立したNPO法人「ネパール・ムスタン地域開発協力会」で、理事を務めていた。

 近藤さんが帰国時に新潟日報社を訪ねてくれた際、静かに隣に座り、豪放磊落(らいらく)な“師匠”の言葉を補足していた姿が印象的だった。

 その原さんから先日、自作の短歌とエッセーの本が送られてきた。書名は「短歌(うた)と緑とムスタンと」(喜...

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