三つの山をひとまとめにして「○○三山」と呼ぶ山域が各地にある。例えば、お隣山形県の出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)や長野、富山県境の白馬三山(白馬岳、鑓ケ岳、杓子岳)などが有名だろう

▼本県の代表格は何といっても越後三山ではないか。魚沼の空に向かってそびえ立つ中ノ岳、越後駒ケ岳、八海山の雄姿は圧巻だ。雪をかぶった今の時季は、特に雄々しさが際立つ

▼越後三山は、どの山をとってもアップダウンのきついロングコースが待っている。縦走するとなれば重い荷物を背負い、泊まりがけを覚悟しなければならない。かなりの体力と気力が必要になる

▼もっと手頃な三山はないかと探せば「西山三山」がある。新潟市と五泉市、田上町などにまたがる新津丘陵の菩提寺山、高立山、護摩堂山を指す。最高峰の高立山でも標高276メートル。1日で十分踏破できるし、自分のペースに合わせてコースを選べる

▼低山だから夏は熱気がこもり歩きにくい。この時季は天気さえ良ければ絶好のハイキングコースになる。長靴に防寒着で登山道を歩けば、体はすぐにぽかぽか。新潟平野の風光明媚(めいび)な景色を眺め、ちょっとした雪山気分を楽しめる

▼先日訪れた際は山頂の木々が雪をかぶって、荘厳な墨絵の世界を演出していた。私たちが暮らす世界は、これほどに美しいのかとしばし見とれた。新芽の吹く頃、また歩きたい。新型ウイルス禍に加えてウクライナでの戦火と、深刻な問題に少しは明るさが差しているといいのだが。

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