茶わん蒸しをひと口ふた口食べて、おやっと思った。慣れた味とは何か違う。青森で食べたときだった。同席の仲間も感じたらしく「甘い?」と声を上げた。ほんのり甘い
▼店の人に聞くと、栗の甘露煮と甘く煮たシイタケを入れているという。最近手元に届いた「都道府県別 生活意識調査」を見ると、この店だけではないようだ。「他県の人から驚かれること」を聞いた質問で、青森県の人は「茶わん蒸しが甘いこと」に驚かれると回答している
▼青森の人からすれば甘くない茶わん蒸しはびっくりなのだろう。ソニー生命によるこの意識調査は都道府県の各100人に、驚かれることを聞いていて、へぇーと思うご当地ルールは他にもある
▼富山県は何にでも昆布をかけるらしい。山口県はガードレールが黄色いらしい。各県さまざまだから面白い。本県はというと、新潟市内はあまり雪が積もらないことが驚かれるとの回答が載っていた
▼自慢したいことも聞いていて、「お酒のおいしさが自慢」と答えた人の割合は本県が52%で全国トップ。酒どころの兵庫でも10%、京都で8%だから本県民の酒自慢は相当だ。さらに「食べ物のおいしさが自慢」と答えた人の割合は68%に上り、これも堂々の1位だった
▼大いに誇り、存分に自慢したい。しかし県民のことだから、うまいうまいと声高に宣伝することはためらうのだろう。案の定、今回の調査でも県民性をどう自覚しているかの答えは「恥ずかしがり屋が多い」。分かる気がする。