日本生まれの洋食の一つ、オムライス。発祥を名乗る店はいくつかあるが東京・銀座と、大阪市の洋食店が有力らしい。誕生から独自の進化を遂げ、見た目も味わいも多様化したオムライスの世界を取材した。
小島岳大(酒ジャーナリスト・ライター)
撮影は写真家・渡部佳則
パラパラご飯の洋風チャーハンにふわとろ卵、お肉がオン!
FLAGLET(新潟市中央区)
1軒目は、鳥屋野潟のほとりに店を構える「FLAGLET(フラグレット)」(新潟市中央区)。推しメニューはオムライスとハンバーグだ。ご主人の吉田康二さん(35)は「オムライス、ハンバーグを食べるならFLAGLETに行こう!そんな店を目指しています」と話す。
この店のメニュー構成は、コース仕立てのみ。メインディッシュとドリンクを選ぶスタイルで、昼は一つ、夜は二つのコースを選べる。今回は、夜のみ注文できる数量限定の「厚切り牛タンをのせたオムライス(ディナーAコース、3000円)」を頼んだ。
定番のニンジンなどを加えないことで、サラッとシンプルな味わいに仕上げたデミグラスソースは完成までに3日間を要する。牛タンは最終日に加えて5~6時間煮ることで、牛のうま味がソースに溶け出し、牛タンにはソースの豊かな味わいが染み込んでいく。
そしてライス。玉ねぎ、エリンギ、長ネギ、エノキを細かくカットし、ひき肉とともに炒める。適度に火が入ったところでご飯と溶き卵を加えて、さらに炒める。厨房(ちゅうぼう)には徐々に香ばしい匂いが立ち込める。
「うちのは、デミグラスとケチャップで味をつけたチャーハンなんです」(吉田さん)という通り、それはまさにチャーハン。
デミグラスソースとケチャップを加えて、全体に味を回したら、今度は卵。たっぷりのバターをフライパンで溶かし、卵三つ分の溶き卵を投入。混ぜること、45秒。ケチャップライス風チャーハン、卵、牛タンと盛り付けたところに、特製デミグラスソースをかければ出来上がりだ。
スッとナイフが入るやわらかい牛タンとふわとろ卵、パラパラライスの食感のコントラストが心地よく、全体を特製ソースがまとめ上げてくれる。食べるごとに笑みが出る、そんな味わいだ。
新潟市中央区神道寺南2の6の7。午前11時~午後3時、午後6時~9時、金土曜は午前11時~午後3時、午後6時~9時30分。火曜定休。025(278)8509
しっかりした固さの卵でケチャップライスを巻き込む
キッチンいさみ(新潟市北区)
昔ながらの味、ビジュアルを求めて...












