新潟は口に入るもので「王国」が多い。本県はコメや枝豆の産出額、作付面積などが日本一。だから「コメ王国」で「枝豆王国」と胸を張る。清酒製造免許場も最多で「日本酒王国」とも自認する

▼総務省が2021年の家計調査を発表した。全国の県庁所在地と政令市の世帯消費(2人以上)に驚いた。外食費のラーメンなど「中華そば」で、新潟市が日本一になったのだ。年間1万3734円。全国平均は5647円。これまでは3年連続で2位、昨年ついに8年連続トップの山形市を抜いた

▼背脂系やショウガ醤油(じょうゆ)、あっさり系にカレー風味、濃厚みそ…。県内には多彩な味がある。ジャンルに縛られず、研究を重ねていることが強みのようだ。新潟市が消費トップなら、本県は「ラーメン王国」と名乗ってよさそうである

▼外食の調査対象でないが、世帯購入額で「カレールウ」も新潟市が全国一だ。購入量では豚肉もトップ、生鮮野菜は3位。どちらもラーメン、カレーの具には欠かせない

▼国民食消費の東西横綱に、新潟が立った感じである。この2冠獲得に意味もなくうれしくなる。どうしてこの大衆食が新潟で人気なのか。「多彩な地域性がラーメンの個性を磨き、簡単に作れるカレーは働く親の味方です」

▼こう教えてくれたのは県民性に詳しい新潟青陵大学特任教授の伊藤充さんだ。ぜいたくをしない県民の勤勉さと多様な風土が背景にある。コメ余りの時代、「至高の米粉ラーメン」といったメニューも加われば楽しい。

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