能登半島地震で建物がゆがみ、ふすまや戸が損傷した登録有形文化財の瀧本家住宅離れ「懐徳亭」内部=上越市頸城区百間町
能登半島地震で建物がゆがみ、ふすまや戸が損傷した登録有形文化財の瀧本家住宅離れ「懐徳亭」内部=上越市頸城区百間町

 能登半島地震で新潟県上越市の歴史的建造物が被災し、市教育委員会や民間団体が保全活動に取り組んでいる。市は2024年度の一般会計当初予算に復旧費用として約3500万円を盛るなど支援を進めているが、所有者が余震による2次被害を恐れたり、修復の方法が分からなかったりして取り壊した事例もあり、伝統的建造物が失われる危機に直面している。

 市教委文化行政課によると3月26日現在、市内では県や市の指定文化財7件、国登録有形文化財14件で土壁が崩れたり、建物が傾いたりする被害があった。文化行政課は地震発生の翌日から被災した建造物の状況を確認。所有者に修復の意向を尋ね、廃棄物の撤去費用の負担軽減策などを示して...

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