棚田を指し示す阿久澤剛樹さん。中央に水のない田んぼが見える=5月18日、十日町市松代蒲生
棚田を指し示す阿久澤剛樹さん。中央に水のない田んぼが見える=5月18日、十日町市松代蒲生

 新潟県内の中山間地で、水不足のため田植えができず生産者が対応に苦慮している問題で、全国有数の棚田が広がり観光スポットとして知られる十日町市松代地域でも、水不足や2023年の干ばつ被害などの影響で田植えができない田んぼがある。耕作放棄地を復旧し、かつての棚田の景観を取り戻そうと活動する農業法人も、一部で作付けを諦めなくてはならない事態となっている。

 農水省の「つなぐ棚田遺産 ふるさとの誇りを未来へ」に、十日町市は一市町村として最多の14地区の棚田が認定されている。松代地域はそのうち7地区を占め、特に星峠、蒲生(かもう)、儀明は「松代三大棚田」と称され、多くの観光客やカメラマンらが集まる。

 その...

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