東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。１号機から７号機まで七つの原子炉がある。最も古い１号機は、１９８５年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約８２１万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。２０１２年３月に６号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。７号機は２０２０年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の重大事故に備えた避難体制の整備に向けて国は６月６日、方針を示した。国は再稼働東京電力福島第１原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地２市村が「同意」する地元の範囲だとしている。同意の理解を得る材料にしたい考えだが、新潟県は新たな避難道路の整備などを要望。国にとっては再び高いハードルを設けられた格好となった。国の方針自体もスケジュール感が乏しい内容で、原発事故と自然災害が同時に発生する複合災害への不安を取り除くまでには至っていない。

　国が今回、回答した東京電力柏崎刈羽原発で重大事故が起きた際の避難道路の整備について、関係者からは「満額回答に近い」と評価する声も上がる。ただ、県道柿崎小国線の小村峠をトンネル化することに関しては「調査の実施」にとどまるなど、事業の完了時期は...

残り748文字（全文：1048文字）