CoCoLo新潟にある「MEAT JOY PARK 佐藤食肉」

 JR新潟駅の商業施設「CoCoLo新潟」が2024年春、リニューアルしました。新潟自慢のグルメを楽しめる店も数多く出店。装いを新たにした新潟の玄関口への出店には、地元の飲食店や企業も並々ならぬ思いを抱いているはず!お店にお邪魔し、出店に込めた思いを聞きました♪

 4月25日のCoCoLo新潟グランドオープン直後から新潟日報社内で話題になっていたのが「新潟駅で子豚が売られている」という情報。え?新潟最大のターミナル駅でそんなことが!さっそく現場に向かいました♪

 生鮮食品や食料品店が集まる新潟駅1階東側に行ってみると、冷凍ケースの中に確かにいました、子豚ちゃん♡。1匹2万1600円也。通りすがりの人も「すごい、豚売ってる」と驚きの声を上げています。SNSでも話題になっているようです。

 子豚を売っているのは、新潟県阿賀野市の食肉・食品加工「佐藤食肉」が運営する「MEAT JOY PARK 佐藤食肉」です。子豚以外にも「トサカ」や「キンカン」など聞き慣れない肉の部位を多数売っていて、とても駅ナカとは思えない品揃え。

MEAT JOY PARKで販売している子豚=新潟市中央区

 お店の人に勇気を出して聞いてみました!「この子豚って売れるんですか?」佐藤食肉の佐藤広国常務(45)は「阿賀野市の直営店では夏だけで10匹くらい売れる」とのこと!そんなに売れているとは…。ちなみにCoCoLoでも開店1カ月後に1匹売れたそうです。

 購入した人は丸焼きにして食べるのかな~などと想像を巡らせていると、佐藤さんが「パーティーなどで1匹を切り分けながら、おのおのが食べたい部位を食べる。外国人のお客さんが買うことが多いですが、最近は日本人も買っていきますよ」と教えてくれました。

 肉のさばき方から分からない自分としたら、なかなかワイルドな食べ方です。佐藤さんによると、子豚には食べられる部分が7~8キロあって、2万1600円という値段は肉の量と比べればお安いのだそう。ただ、佐藤さんは「肉の専門店として売れ筋だけを売るのではなくて、いろんなものがあるということを知ってもらうためにも置いている。『見たくない』という人いて、もろ刃の剣ですが」と苦笑します。

◆総菜もすごい!30センチ超のチキンカツが321円

 「MEAT JOY PARK」の売りは子豚だけではありません!店内のキッチンで調理している総菜コーナーをのぞいてみると、30センチ以上ある巨大なチキンカツが異彩を放っています。値段は321円。「値段バグってる」というSNSの投稿にも納得できる価格の安さです。気になる味は衣はサクサク、中はジューシーとバッチリです!ただ、厚みもあってかなり量が多いので複数人で分けて食べるのがよさそう…。

顔より巨大なジャンボチキンカツを持つ佐藤広国常務=新潟市中央区

 「話題性を狙ったわけではないし、阿賀野の直営店では4番手くらいの人気」だというジャンボチキンカツ。CoCoLo店のオープン後、著名人が食べたり、大きさに驚いた人がSNSに投稿したりして広まりました。

 ほかにも、1日で計40キロ売れるという「鶏皮せんべい」や阿賀野市のブランド牛「あがの姫牛」を使ったコロッケなど、ボリューム満点でおいしそうな総菜が並んでいます。佐藤さんは「店で手作りしていて、素材の味を感じられるようにシンプルな味付けにしている」と総菜へのこだわりを教えてくれました。

◆中越地震で被災した"山古志”の復興も肉で発信

 佐藤食肉は1953年にまちのお肉屋さんとして新潟県の阿賀野市で創業しました。75年には市内で食肉加工場を開設、94年に直売所を設けるなど阿賀野市を中心に事業を拡大してきました。取り扱う肉も「あがの姫牛」やブランド豚「純白のビアンカ」など新潟県産肉が中心です。

 CoCoLoでの出店に合わせて、新たに扱い始めた肉もあります。2004年の中越地震で大きな被害を受けた新潟県の旧山古志村(長岡市)で育てられた「山古志牛」です。...

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