自民党本部
通常国会が閉幕した６月２１日、岸田文雄首相の記者会見が行われた。最大の関心事は首相が９月に実施される自民党総裁選への出馬に触れるかどうかにあった。しかし、首相は直接答えることはなくこう語った。
「先送りできない課題に取り組み、結果を出す。これ以外は考えていない」
ちなみに２０１８年の総裁選を控えた安倍晋三元首相の記者会見での発言はどうだったのか。
「災害対応に全力を尽くす。まだ先のことを考える余裕がない。せみ時雨（しぐれ）を聞きながら考えたい」
首相の言い回しは安倍発言と似通うが、安倍氏と首相とは置かれた政治状況に決定的な違いがある。安倍氏は「１強体制」を構築しており、３選は確実と見られていたからだ。
それでも安倍氏は総裁選対策を怠らなかった。...
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