イコモス勧告に対応するため、佐渡市景観計画案で対象が広げられた相川地区の海域=6月28日

 世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録を目指す「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」の構成資産「相川鶴子(つるし)金銀山」を巡り、周辺の景観を保全する区域である「緩衝地帯」を相川沖に拡張するため、新潟県佐渡市が市景観計画を変更することが6月28日、分かった。景観悪化への懸念から、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が拡張を勧告したことに対応する。佐渡市は7月下旬にインドで開かれる世界遺産委員会までに変更を済ませ、地元の姿勢を明確に示す考え...

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