
インド・ニューデリーで開幕した国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会では、新規登録案件が審議される7月26日〜29日に「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」(新潟県佐渡市)が議題となる。焦点の一つが、ユネスコ諮問機関が求めた「全体の歴史」への対応だ。韓国は戦時中に朝鮮半島出身者が過酷な労働に従事したと主張し、説明を求めている。水面下では日韓で協議が行われているが詳細は公になっておらず、その行方が登録の鍵を握る。
諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)1965年に設立した国際非政府間組織(NGO)。文化財の保存、修復、再生などを行う。ICOMOS(イコモス)は「International Council on Monuments and Sites」の略語。ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関として、文化遺産に関する推薦資産の現地調査を担う。その内容を踏まえ、世界遺産委員会に対して評価結果を勧告する。勧告は「記載」(世界遺産一覧表に記載するもの)、「情報照会」(追加情報の提出を求めた上で次回以降に再審議するもの)、「記載延期」(より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの)、「不記載」(記載にふさわしくないもの)の4区分。本拠地はパリ。は6月に通知した勧告で、...
残り1386文字(全文:1624文字)