「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」(新潟県佐渡市)の世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録を巡り、鉱業権を所有する「ゴールデン佐渡」(佐渡市)が商業採掘を再開しないことを約束する表明書を文化庁に提出したことが7月18日、新潟県や文化庁への取材で分かった。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)1965年に設立した国際非政府間組織(NGO)。文化財の保存、修復、再生などを行う。ICOMOS(イコモス)は「International Council on Monuments and Sites」の略語。ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関として、文化遺産に関する推薦資産の現地調査を担う。その内容を踏まえ、世界遺産委員会に対して評価結果を勧告する。勧告は「記載」(世界遺産一覧表に記載するもの)、「情報照会」(追加情報の提出を求めた上で次回以降に再審議するもの)、「記載延期」(より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの)、「不記載」(記載にふさわしくないもの)の4区分。本拠地はパリ。による勧告を踏まえ対応した。イコモスが日本政府に求めていた三つの要請は全て対応が完了した。

 佐渡金山は7月21日にインド・ニューデリーで開幕する世界遺産委員会で登録の可否が審議される。イコモスは6月、遺産の価値の補足説明を求める「情報照会」を勧告。...

残り706文字(全文:1035文字)