
追肥に使う液体肥料の説明会=新潟市西蒲区
2024年も猛暑が予想される中、新潟県内のコメ生産者は出穂期直前にまく「穂肥」の準備を進める。2023年、県内はコシヒカリの1等米比率が5%と過去最低水準に落ち込んだ。県などは、高温による等級低下を防ぐ効果があるとされる出穂期直前の追肥を推奨し、コシの1等米比率を平年並みの70%台へ「V字回復」を目指す。しかし生産者の高齢化や大規模化で、高温下での作業は容易ではない。作業の省力化を模索する動きもある。(報道部・山本司)
穂肥は稲穂を充実させるためにまく肥料。猛暑でなければ出穂期10日前までにまき終えるが、猛暑が予想される時は出穂期の3日前までに追肥をするよう、県などは指導している。その判断には天気予報だけでなく、生育状態も加わる。葉色が薄ければまくが、濃い状態でまくと倒伏や食味への影響が懸念されるため、場合によっては追肥を見送る判断も求められる。
コシヒカリの出穂期を前にした7月19日夕方。JA新潟かがやき中之口アグリセンター(新潟市西蒲区)で開かれた指導会に、生産者約30人が集まった。「出穂期直前の葉色診断を“令和のコメ作りの常識”にしてほしい」「コシの出穂期は8月始め。追肥するかの判断は今月末に」。県の巻農業普及指導センター職員の呼びかけに、参加者は熱心に耳を傾けていた。...
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