
乾燥でもろくなったあぜが崩落した棚田=5月22日、新発田市板山
酷暑と少雨の影響で、2023年産コシヒカリの1等米比率が空前の低さとなった新潟県内。24年は冬場の少雪と春先の少雨が影響し、中山間地域で水不足が生じている。下越地域の生産者たちも、「今年こそ」の思いで稲作の暑さ対策を講じているが、沢水を引いて耕作する水田では水不足が田植えに影響し、頭を悩ませている。
「水不足は夏の悩みだと思っていた。春に水がないなんて初めて」。新発田市の板山地区の農業法人「いたやま純心村」の井上俊樹さん(46)は、耕作する50ヘクタールのうち1ヘクタールで起きている現象に戸惑っている。
2023年に育てたコシヒカリは全て2等以下だった。巻き返しを誓って臨んだ24年は、近年異...
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