直近十数年の画業一望

 雪梁舎美術館では県内の優れた芸術家を紹介する個展を継続的に開催している。浦上義昭氏は長岡市在住の日本画家で、日本美術院特待として活躍し、上野の森美術館専任講師を務めるなど後進の指導にも力を入れる。本展は、氏の直近十数年間の画業を一望できる充実の内容だ。

 第一室には、春・秋の院展を中心とする出品画二十数点が並ぶ。出品画の画題選定にはこだわりを持ち、国内外の仏像から、浜辺の船小屋、公園の切り株のようなモチーフに至るまで「一期一会」を求めて各地を取材してきた。

 多くの作品に共通するのは、人の営みと自然との関わりをテーマに、間(ま)を残す構図でそこに漂う空気感を表現する点だ。再興院展で奨励賞を受けた...

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