為替相場を示す岡三にいがた証券のボード=10月18日、長岡市
為替相場を示す岡三にいがた証券のボード=10月18日、長岡市

 日銀の追加利上げの判断とタイミングが注目されている。日銀は3月、マイナス金利政策民間銀行が日銀に預ける当座預金の一部にマイナスの金利を適用し、手数料を課す政策。銀行は日銀にお金を預けると損をするため、企業や家計への融資を増やそうとして金利を低くする効果を期待している。大規模な金融緩和策の一環で2016年1月に導入を決定し、翌2月から始まった。企業や家計の金利負担が減った半面、金融機関の収益減といった副作用も指摘されていた。を解除し、7月に追加利上げに踏み切った。岸田政権下で、デフレ脱却を目指した安倍政権の経済政策「アベノミクス」による大規模金融緩和を転換した形だ。米国の利下げで日米の金利差が縮小し、円安傾向から円高方向へと為替相場も変動した。新潟県内企業はデフレ脱却へ「急激な変化ではなく軟着陸を」と求め、衆院選で各党の姿勢や金融政策論争を注視する。

 日本経済は長年の課題であるデフレからの脱却に向け、転換点を迎えている。

 2024年の春闘で平均賃上げ率は高水準となり、2%の物価安定目標の達成が見通せる環境が整ったとして、日銀は利上げ方向にかじを切った。新潟商工会議所の福田勝之会頭は「金利を上げた場合、日本経済が対応できる力があるか確認しながら進めているのでは」と日銀や政府の判断を...

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