
バス乗り場にできた長い行列。「無料だから乗ってみた」という人の姿が目立った=11月10日、新潟市中央区古町通7
新潟市は市内を走る路線バス、区バス、住民バスの運賃を無料にする「バス無料デー」を初めて実施した。普段、車を使う人らがバスに乗るきっかけをつくり、有料での利用につなげるのが狙いだった。乗客からは「駐車場の心配がいらない」など好意的な声が聞かれた一方、混雑に対する苦言も寄せられた。市は今回の成果や課題を検証し、今後の利用促進策に生かす考えだ。
10日朝、JR新潟駅のバスターミナルでは、1〜18番線のどの乗り場にも長い列ができた。
各地から到着するバスも満員状態で、扉が開くたびに人が一斉に降り立った。晴れた日曜に「無料」という好条件がそろったためか、幼い子どもと乗車する家族連れが目立った。

「景色がよく見えたし、駐車場の心配をしなくていいのが良かった」。新潟駅で降車した中央区の男性(60)は声を弾ませた。
男性は、普段、車か電車で新潟駅に向かうが、この日は無料デーだったため久しぶりにバスに乗車。「車を運転するより楽。有料でも乗ってみたいと思えた」と話した。
他の乗客からも「子どもが喜んでいた」「出かけるきっかけになった」など、市の初の試みを好意的に捉える意見があった。
万代シテイや古町でも、新潟駅と同じく、多くのバス停に行列ができた。
各地から来るバスは混雑し、なかなか乗れない。何度も見送る人たちのそばで、降車した客が「やっと着いた」「バスが嫌いになりそう」とこぼしていた。
「混んでいた。便数を増やしてほしかった」。1歳と6歳の子どもを連れ、万代シテイで降車した西区の30代会社員男性は、やや疲れた様子で話した。

運行事業者の一つ、新潟交通(新潟市中央区)によると、...
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