潜在能力にあふれた作品
「継続は力なり」という言葉がある。本展の審査に際して、最初に思い浮かべたのはこの言葉だった。今回の出品数は昨年の62点に対して49点と数こそ少ないものの、クオリティーは圧倒的に本年度の方が高い。それだけではなく、さらにこの作家の次の作品も見たいと思わせる、潜在能力にあふれた作品も少なくない。
本展は雪梁舎美術館が2020年の第15回展まで開催した新潟県伝統工芸展を発展的に解消し、「ふるさとの美術育成」を目的に美術館を創設した故・捧賢一氏の「芸術を志す方の発表の場」としての美術館の意味をあらためて前面に打ち出した、画期的な展覧会である。
特徴的なのは、新潟県とその周辺地域の大学に広く周知してい...
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