
スナック兼自宅が浸水被害に遭った安田みさ子さん。約80センチ水に漬かったという=上越市港町1
能登半島地震の発生から1月1日で1年がたった。新潟県上越市では、関川を遡上(そじょう)した津波が海に近い住宅街に流れ込み、床上床下合わせて15棟が浸水した。関川右岸にあるスナック兼自宅が床上浸水し、半壊と判定された上越市の安田みさ子さん(75)は「人のありがたさや温かさを改めて実感した1年だった」としみじみ語った。
地震直後、津波を恐れて知人宅へ慌てて逃げた。その後、押し流されてきた車が自宅玄関を直撃。隙間から1階の居間などに泥水や流木が流れ込み80センチほど浸水した。自宅の惨状を知ったのは知人宅から戻った2024年1月2日朝。「悪夢を見ているようだった」
それでも店舗部分は浸水を免れ、1週間後には営業を再開した。常連らから電話や差し入れが相次ぎ、友人の大工は居間の壁紙や床板を張り替えてくれた。
支えられ、励まされながらも被災体験は心に重く残った。毎年参加していた地域の避難訓練は...
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