
長岡市で長年親しまれている長命堂飴舗の「飴もなか」
巳(み)年がスタートした。蛇は、福徳や財宝をつかさどる弁財天の使いとされ、幸運の象徴ともいわれる。蛇にあやかって、新潟県長岡市内にある細長い食べ物を調べてみた。おいしく味わって、1年を元気に過ごすパワーを蓄えてはいかがだろうか。
◆伸び~る新感覚!県外客も注目の長命堂飴舗「飴もなか」
見た目は細長くないけれど、割ると中の水あめがトロ〜ッとあふれ出す。伸びる感覚とともに味わえるのが、長岡市殿町2の長命堂飴舗(ちょうめいどうあめほ)の代表商品「飴もなか」だ。地元で長く親しまれる銘菓だが、中身があんこではないもなかを、県外消費者は珍しく感じ「新感覚だ」と注目されている。
長命堂は1912(大正元)年に創業した。明治期にランプ用の灯油販売などで商売を始め、あめ菓子の製造に転じた。
飴もなかは初代の野本桂吉さんが、2年かけて完成させたと伝わる。31年の上越線全通記念博覧会で最高賞を受け、県内で初めて駅売店で販売された菓子という歴史を持つ。
大きさは5センチ四方で厚さは1・5センチほど。もなかの皮一つ一つに水あめを載せ、ふたをして作る。長岡花火やお盆のある8月が最も売れるという。5代目に当たる専務の野本省吾さん(39)は「ほかにはない珍しさが一番の特色。甘くなり過ぎず、素朴でもなかの香りともぴったり」と話す。
2024年は飴もなかを食べる様子を消費者が動画で配信し、...
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