
キムチを試食する硲あけみさんと博巳さんのTikTok動画
新潟県佐渡市新穂長畝の食品製造「キムチの家」が、販路拡大に力を入れる。きっかけは更新を続ける動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」。韓国出身の創業者、硲(はざま)あけみさんと息子で次男の博巳さん(30)の掛け合いが受け、市場は島内から全国区になった。2月4日に工場拡張に向けたクラウドファンディング(CF)を開始。3月以降には東京・浅草に直売所を開く準備も進めている。「母さんのキムチを100年先まで残したい」。博巳さんは情熱を抱き、投稿とキムチ作りの修業に明け暮れる。
店は1996年、あけみさんが一人で創業した。通常より辛く、うま味の豊富な白菜キムチ(250グラム・428円など)中心に島内で人気を博した。博巳さんは4年前、「母さん一代で店を終わらせたくない」と東京からUターンし、インターネット販売にも力を入れ始めた。キムチ修業と並行して取り組んだのがTikTokだった。
「母さーん、これでキムチ作れる?」。リクエストに応じたあけみさんが手際よく真っ赤なキムチを仕上げる。動画に登場するのは定番の白菜、大根に限らず、寒ブリやタケノコ、ナシなど変わり種も。画角や音声、リズム感にこだわり、食欲を誘う動画に編集して発信する。
「バズった」のは2021年12月、初投稿の動画だった。現在までに300万回超の再生数を記録。すると、...
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