ホテル泉慶が運営する「白玉の湯華鳳」=新発田市月岡温泉

 1915年の開湯から110年が過ぎた新発田市の月岡温泉で、三つのホテルを運営する「ホテル泉慶」。計231室と大規模ながら、きめ細やかなサービスを追求し、昨年は全国の旅行会社の投票で総合1位の宿に輝いた。社長の飯田武志さん(43)は「全国一の評価は月岡全体にとって価値がある。維持していきたい」と力を込める。

 飯田さんの祖父が67年、わずか8室のホテル泉慶を開業。高度経済成長とバブル経済、上越新幹線や関越自動車道の開通を追い風に急成長を遂げた。独自の源泉を掘り、97年にワンランク上の「白玉の湯華鳳(かほう)」をオープン。2007年には、全20室がスイートの「別邸(べってい)越(こし)の里(さと)」を開いた。

 飯田さんは、大学を卒業後、都内でベンチャーや外資系企業に勤務。有馬温泉(兵庫)の大規模ホテルで修業した後、09年にホテル泉慶の社長室長として家業に就く。

 「旅館としては一流でも、会社としては三流だった」。当時は、...

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